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日露戦争に勝利したとき白人に支配されていた国の人々は歓喜した
◆「国民の歴史」 西尾幹二(著)
日露戦争はある面で朝鮮や中国をロシアから守るという性格を持った戦争でもあった。
もし、日露戦争で日本が負けたら、朝鮮は全土、ロシアの属領となっただけでなく、
中国もまた確実に北半分をロシアに領有されてしまったであろう。
世界を揺るがしたニュースであった。これはどの大ニュースは二十世紀の初頭にはほかになかった。
あらゆる植民地の国々では人々が胸をうちふるわせて感動した。少年ネルーやガンジーが揺さぶられた話を読んだことがある。
インドネシア人は巨大なバルチック艦隊があの狭い海峡を通ってゆくのを見て、こうこれで日本はおしまいだ、
日本はせっかく立ち上がったのにもうだめだ、と日本人に好意を持っていた彼らの多くは汲を流したそうである。
が、ほどなくして日本大勝利のニュースが届いて、彼らは愕然とする。世界屈指の大国に、あの小さな国が勝つなどとは夢にも考えられなかった。
世界中は沸き立った。船でヨーロッパに出かけていった日本人は、立ち寄るアジアの港々で関税の役人その他に握手攻めにあい、大歓迎を受ける。
日本人だと聞くと、手を取って東郷とか乃木という名前が出てくる。
心を強く動かされた者のなかに、アメリカ合衆国に住む黒人たちがいた。『カラード・アメリカン・マガジン』誌は、
日本の行動の最も重要な点は、アジアとアフリカに考えるきっかけをつくったことだと書いた。
ある公民権運動家は、日本が白人優位の人種神話を葬り去ったと主張して全米を演説して回った。