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★日雇い派遣の「不透明」天引き、労働者が返還請求へ
・携帯電話やメールで短期の仕事を紹介する「日雇い派遣」業界で、派遣会社が保険料などの
名目で派遣1回あたり200~250円程度を給料から天引きする制度に対し、派遣労働者が
天引き分の返還請求を始めた。業界大手2社は制度を廃止したが、労働者側は任意との十分な
説明がなく使途も不透明だとして、過去に支払った分の返還を求める。徴収総額は大手で年間
10億円規模に達し、返還請求の行方によっては業界の収益構造を揺るがす可能性がある。
日雇い派遣業界では、派遣会社が「データ装備費」や「業務管理費」などの名称で給料から
天引きをしてきた。月に20日間働けば年間5万~6万円程度になる。1日に3万人近くを派遣する
大手のグッドウィル(東京都港区)では、年間徴収額が約15億円に上るという。
派遣会社は、労働者が派遣先で物を壊した場合などの損害をまかなう保険料や、労働者の個人
情報管理、装備品代などにあてたとする。支払いは任意だと説明し、労働者も納得しているという。
だが労働組合などによると、スタッフ登録の際に「保険料として引くことになっている」などと言う
だけで任意との十分な説明はなく、使途の内訳や保険の内容を明記した文書も交付されない。
グッドウィルの派遣労働者でつくるグッドウィルユニオンは、事実上、強制的に天引きされ、使い道も
極めて不透明だとして団体交渉で返還を要求。28日にスタッフ向けの説明会を開き、6月にも
一斉請求する。労働基準監督署にも調査を求める方針で、厚生労働省も調べる考えだ。
グッドウィルは5月に制度を廃止。返還には応じない姿勢だが、任意との説明が不十分だった場合が
あれば「個別に検討する」と含みも持たせている。大手のフルキャスト(東京都渋谷区)は2月に
廃止したが「現時点で返金は考えていない」という。
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