07/05/21 17:12:52 0
>>1の続き
◆誰もが景気後退を口にしない理由
景気は後退時に機動的に対策を打てばそれほど悪化しないが、問題は誰も景気悪化を口に
しないことだ。日銀は自分たちの利上げが原因とは口が裂けても言えないので、景気後退を
決して認めようとしない。通常は与党がこうした問題を指摘するのだが、真っ先に言うべき
中川秀直自民党幹事長は黙ったままだ。なぜなら、7月の参議院選挙を前にして景気後退を
口にできないからだ。
本来はメディアが指摘する義務があるが、どの新聞にも景気後退の文字はない。大手新聞は
日銀記者クラブに所属しているので言いたいことが言えないのだろう。
◆信じられない福井総裁の利上げ継続宣言
日銀の福井俊彦総裁は、「GDP速報は全体として想定の範囲内」としたうえで、金利の引き
上げを継続する考えを改めて示した。そのなかで福井総裁は「仮に消費者物価指数が多少
のマイナスであっても十分利上げは可能だと思う」と述べた。デフレのなかで利上げを継続
するというのは、金融政策の常識を否定するものだ。
福井総裁が示した利上げ継続の根拠は、「低金利が経済・物価情勢と離れて長く継続すると
非効率な経済活動に資金が使われ、短期的に景気や資産価格を押し上げることはあっても、
その後の調整を余儀なくされ、息の長い成長を阻害する可能性がある」というものだった。
つまり、資産バブルを抑えるために利上げを継続するというのだ。
確かに都心の地価は高騰しているが、それはごく一部の地域で起きている話で、全国レベル
では地価下落が続いている。いまの状況はバブル期とは明らかに異なるのだ。
本当に資産バブルが福井総裁の最大の懸念材料なのだろうか。そうだとすれば、日銀の
「バブル恐怖症」のおかげで、せっかく戻りかけた景気を壊してしまうリスクが高まっていること
は間違いないだろう。 (以上、一部略)