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社会保険庁指導医療官(歯科技官)が、出身の東京歯科大OBの歯科医に診療報酬の監査などの内部情報を
教えた見返りに同大の同窓会幹部から二百数十万円を受領したとして、警視庁捜査2課は16日、収賄容疑で
栃木社会保険事務局の指導医療官、佐藤春海容疑者(57)、贈賄容疑で同窓会副会長で日本歯科医師会前専
務理事、内山文博容疑者(66)ら2人を逮捕した。
佐藤容疑者は同窓会の要請で医療官となり、歯科医より収入が減るため同窓会から現金提供を受けていた。
10年間で計1000万円以上を受領したとみられ、捜査2課は同窓会を舞台にした癒着の解明を急ぐ。
他に逮捕されたのは、同窓会副会長、大友好容疑者(73)。いずれも容疑を認め、佐藤容疑者は受領した
金を貯蓄していたという。
調べでは、佐藤容疑者は東京と栃木の社会保険事務局に勤務していた平成14年11月~17年7月、勉強
会で同窓会東京都支部の会員に監査対策や指導前に情報を教えた見返りに、支部会長職にもあった内山容疑者
らから4回にわたり現金二百数十万円を受け取った疑い。懇親会や新年会などの会合で50万円単位で手渡し
され、栃木に転勤の際は餞別(せんべつ)名目の提供もあった。関係者によると、同窓会本部も年間100万
円を提供したという。
佐藤容疑者は勤務医だったが、同大OBの要請で同窓会の推薦を受け、平成6年に指導医療官に就任。診療
報酬面での便宜を期待され、事実上、同窓会から送り込まれた形だった。収入が減るため、就任直後から現金
提供が始まり、一回数万円の飲食接待も行われていたという。内山容疑者は、日本歯科医師連盟の一連の事件後、
組織再建のため専務理事に就任したが、今年3月、健康上の理由で辞任した。
最終更新:5月17日8時1分
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