【論説】胃がんで都内の病院に入院した小田実さん 稀代の運動家の再起を願ってやまない 東京新聞・筆洗at NEWSPLUS
【論説】胃がんで都内の病院に入院した小田実さん 稀代の運動家の再起を願ってやまない 東京新聞・筆洗 - 暇つぶし2ch1:春デブリφ ★
07/05/11 09:44:33 0
 大型連休中、本紙の文化面に月一回連載されている瀬戸内寂聴さんのエッセー『あしたの夢』を
読んで驚いた。
▼「小田実さんとの仲」というタイトルで、この時代の思想的ヒーローとの半世紀に及ぶ付き合い
を軽妙につづる。若い知的な女性にモテモテだったという小田さんにさもありなん、女優の岸恵子
さんとのエピソードには笑ってしまった。
▼文学好きで読書家だった岸さんが、小田さんの本を読んで感激、わざわざ徳島まで、病院に入院中
だった小田さんを訪ね、いかに感激したかを熱っぽく伝えた。一時間ほどいて暇(いとま)を告げる
岸さんに、ベッドの小田さんが言ったとか。「ところで、あなたはどなたですか」

▼瀬戸内さんのエッセーは最後に「小田実から長いファクスが届いた…」という一文で結ばれる。
小田さんは胃がんの宣告を受けたという。あわてて電話をいれると、小田さんは「もう手遅れと
医者はいうんや、もっと生きたいよう、死にとうないわ。寂聴さん、元気になるお経あげてや」。
声は明るく冗談めいていたが、瀬戸内さんは絶句して泣いた。
▼小田さんが七日、都内の病院に入院した。手術はせず化学療法を受けるという。鶴見俊輔さんは
小田さんとの出会いを「浜辺を歩いていたら、ビンが転がっていた。好奇心でふたを開けたら、
もくもくと煙が上がって巨人が出てきた」と例える。

▼十年前の本紙文化面連載『西方ニ異説アリ』を担当した。判じ物のような悪筆を解読、活字に
起こすのを毎月楽しんでいた。この稀代(きだい)の運動家の再起を願ってやまない。

■ソース(東京新聞)
URLリンク(www.tokyo-np.co.jp)


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