07/05/10 12:17:29 0
・安倍首相の公設秘書ら3人が、「週刊朝日」発行元の朝日新聞社と同誌編集長らを
相手取り、損害賠償を求める訴えを起こした。
一国の総理の側と全国紙のトラブルが裁判沙汰に発展した。なぜ、こんな空前の事態に
至ったのだろうか。
週刊朝日の発行直後から、首相の憤りは激しかった。「でっち上げ、捏造だ」「いわば言論に
よるテロ。これは報道ではなく(新聞社の)政治運動だ」
同誌側はすぐさま、朝日新聞朝刊に編集長名のコメントを出した。
「一部広告の見出しに安倍首相が射殺犯と関係があるかのような不適切な表現があり
ました。おわびいたします」
新聞数社に出した同誌の広告や電車の中吊りには、「長崎市長射殺事件と安倍首相秘書
との『接点』」「山口組系水心会と安倍首相の『関係』」といった見出しが掲載された。これでは
広告を見た人に、首相周辺と射殺犯に何らかのつながりがあるとの誤解を与えかねない。
その後、広告を掲載した新聞や、同誌の最新号に編集長名の「お詫び」も掲載したが、
ここでも「証言などを伝えたもの」と述べるにとどまり、最初の記事内容の訂正はしなかった。
もう一つの注目点が、広告による名誉棄損の“拡散”問題だ。
首相側は「広告で大々的に虚偽報道し、雑誌を買わない人にも広く喧伝し、名誉を毀損した」
ことを厳しく指摘する。確かに、雑誌の販売部数をはるかに上回る数の視線にさらされる新聞
広告、中吊りは、一歩間違えば名誉棄損などの違法行為の“加担者”になってしまう。
東京高裁が昨年出した名誉棄損訴訟の判決がある。毎日新聞元社長の監禁事件を
報じた週刊新潮の広告、中吊りについて、「広告の見出しを見る圧倒的多数は記事を
読まず、記事を読んで誤解を解消することが難しい」と指摘し、名誉棄損の成立を認めた。
広告には、ある程度の省略・誇張表現も許されるとしたうえで、行きすぎたケースだから
違法、と判断した。
広告を出す側のモラルが問われると同時に、掲載依頼を受けた新聞などメディアにも、
日本新聞協会の広告倫理綱領を守る責任がある。綱領には、不当な広告の排除が
うたわれている。訴訟の行方に注目したい。(一部略)
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