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・「私たちの代わりに」…。「エキスポランド」で起きたジェットコースター脱輪事故で、
コースターの順番待ちの際、死亡した小河原良乃さん(19)に列を譲られた家族がいた。
1両目に乗車し、軽傷を負った大阪府の男性会社員(45)の一家。取材に応じ「順番待ちを
代わらなければ、小河原さんは助かったかもしれない」と複雑な胸の内を明かした。
男性は5日午前、長女(16)ら3人の娘と一緒に来園。ほぼ毎年家族で訪れ、事故が
起きた「風神雷神II」は「1回来れば2回は乗るほど好きなアトラクションだった」という。
「絶叫マシン」が苦手という三女(12)は乗らず、長女(16)と二女(14)の3人で列に
並んだ。前には小河原さんの仲間とみられる女性2人が並んでおり、途中で小河原さんら
4人が合流した。
小河原さんらは友人同士で順番待ちのしばらくの間談笑しており、その後、男性一家の
前に並ぶと悪いと思ったのか、一家に列を譲った。このため、一家は3人とも1両目に乗車。
続いて小河原さんや友人が2両目に乗り込んだ。これが分かれ道となった。
コース中盤のループを回り、急降下に差し掛かった際、突然「ガギガギ」という重い金属を
ひきずるような異常音が聞こえた。直後に、後ろの車両が自分たちが乗った車両に
ぶつかったような衝撃を感じた。
「良乃ちゃんおれへん。どこ?」。一瞬の静寂の後、女性の悲鳴が耳に飛び込んできた。
後ろを振り返ろうにも、安全バーが締まり身動きがとれない。首にも激痛があった。それでも
振り返ってみると、2両目が横倒し、投げ出された女性がレール脇の点検用通路の上で
横たわっているのが見えたという。
「あのとき順番を代わらなければ、私たちのだれかが命を落としていた。同じ現場にいて
なぜ私たちが助かったのか。命拾いをしたという思いよりも胸が痛い」。
事故に遭遇した娘たちは見た目には元気そうだが、「心に深い傷を負ったかもしれない」と
気掛かりだという。それでも「生かされた命を大切にしようと娘と語り合った。これから時間を
かけてゆっくり事故のことを考えたい。そして小河原さんのご冥福を心からお祈りしたい」。(一部略)
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