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急転の“ラモス続投”。萩原社長の言葉が、寛大すぎるとも言える今回の決定を象徴していた。
「このチームはプロデュース・バイ・ラモス。普通だったら大変な問題。単純に勝ち負けだけのものではないのも事実」
監督去就について最終判断を下した同日の編成委員会には出席していない同社長だが、ラモス監督に対する特別な
思いを認めた。
同委員会に出席した小湊常務取締役は「この決定は現場の判断とわたしの皮膚感で決めました。今回は過去のこと
を持ち出してやる議題ではない。この２試合に関して話し合った」。１勝１敗に終わった水戸戦と京都戦を対象に話し
合われた同委員会。特に連敗を脱出した京都戦を評価、来季Ｊ１昇格が達成できるという結論を下した。
田中取締役は「監督には（Ｊ１昇格のための）数字的な目安の話をした」としたが、具体的なノルマを設定することなく、
サポートの継続を約束するなど“恩情続投”と、とられかねない決定だ。
昨季から指揮をとるラモス監督にとって、Ｊ１昇格は至上命題。元日本代表ＭＦ名波や昨季２５得点のＦＷフッキらを
補強して臨んだ今季は、萩原社長も「シビアに結果を求める」と話していた。開幕直後は順調に白星を重ねたが、
４月７日の福岡戦（博多球）から５月３日の水戸戦（国立）までクラブワーストに並ぶ７連敗。６連敗後、同社長は
「連敗が止まってもこの先のことを考えて判断を下さないといけない」と話しており、水戸戦後には解任は決定的と
思われた。だが６日の京都戦で連敗を止めると、一気に風向きが変わった。
続投要請を受けたラモス監督は「ぜひ続けてほしいという話をもらった。（続投の感想は）何もない。こういう結果に
なると思っていた。やり方は変えない。特別なこともするつもりはない」とこれまでの方針を貫くことを宣言した。
チームは１３日の山形戦（アウエー）に向けて９日から再始動する。東京ＶのＪ１昇格は、再びラモス監督の手腕に託された。
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