07/05/08 01:18:13 bo9qvbda0
ジエチレングリコール事件
1985年に発覚した、ワイン異物混入事件です。
この事件により、オーストリアワインは、長く世界のワイン市場から閉め出され
ていたと言っても過言ではありません。
オーストリア、特にブルゲンラント(Burgenland)州のノイシードラ湖(Neusiedlersee)周辺は、
高級な貴腐ワインやアイスワインの産地として知られています。ワイン通の方ならご存知とは
思いますが、これらのワインは糖度の高いモストから作られた、極甘口の白ワインです。
よく、デザートワインなどと呼ばれています。当然のことながら高級品で、オーストリア産なら
1本(ハーフボトル)で最低でも1万円近くはするはずです。
ジエチレングリコールは不凍液等によく使われます。甘みがあり、粘度の高い、無色の液体です。
毒性は高くありませんが、有機合成物であるからには、決して人体によい影響を与えるものではありません。
1985年、極甘口のデザートワイン市場に目をつけた1部のワイン業者が、糖度の足りないワインに
ジエチレングリコールを混ぜて市場に出していることが、発覚しました。
先にも述べましたが、ジエチレングリコールは甘く、粘度があり、ワインに混ぜると確かに
アイスワインのようになるのです。色、匂いに影響を与えませんから、素人(玄人でも)には違いは分かりません。
当時は「ワイン毒物混入事件」として、日本でも大いに騒がれました。そして、日本の市場から、
オーストリアワインが消えてしまったのです。
実際には、このワインを飲んで、健康被害が出たことはなかったようです。しかし、オーストリアワイ
ンに対する信頼は失墜してしまいました。そして、世界にも例を見ない、厳しいワイン法が施行されたのです。