07/05/07 21:49:21 O
★幸兵衛だらけ=元村有希子
・教育再生会議の「親学」緊急提言を見て、落語の小言幸兵衛を連想した。幸兵衛は
口うるさい大家で、朝から晩まで長屋中に小言を言って回る。うるさいから店子
(たなこ)が逃げ出す。落語なら笑えるが、これを政策立案につながる有識者会議に
やられてはかなわない。
特にびっくりするような内容ではない。大人なら言われなくても分かる。分かっているが、
諸般の事情で難しい人は大勢いる。心配なのは、お上がこういう価値観を金科玉条の
ごとく振り回すことで、そうしない人が「けしからん」と扱われることだ。
そもそもこの世は割り切れないことだらけなのだ。ところがこの「親学」は妙に明快だ。
母乳はよくてミルクは悪い、テレビは悪くて芝居はいい。子守歌がいいならロックは悪い?
決め付けが過ぎて居心地が悪い。
再生会議の幸兵衛さんたちに言わせれば、最近の親はなってない、だから忠告してあげると
いうことだろう。親切心はありがたいが、国がやることはほかにある。
再生会議に始まったことではない。外に出れば小言の嵐である。日本ほど、ひとの振る
舞いに指図する社会は珍しいのではないか。
券売機で切符を買えば「切符をお取りください!」と電子音に繰り返しせかされ、電車に
乗れば「奥へ進め」「詰めて座れ」「荷物は網棚に」。そのうち「漫画は読むな」「つり革は
右手で」となりかねない勢いだ。
戦時中は「ぜいたくは敵だ」「お国のため」というスローガンに国民が従い、反する行いは
排斥された。私は戦争を知らないが、同じにおいを感じる。(科学環境部)
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