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★ 「在学歴」を学歴とする風土が生み出す必修科目逃れ 下
では、その望みの大学では教育はどうなっているでしょうか。実は日本の大学の多くは
世界的に見て最も勉強しない部類に属します。私が留学生として日本に来て一番びっくり
したのはこのことです。たまにしか大学に来なくてもちゃんと卒業できるのです。
学問において先生と議論することも学生同士で論争することもほとんど見当たりません。
授業風景といえば、先生の一方的にしゃべり、学生が静かにノートを取る風景です。
これはもう小学校や中学校と変わらない風景です。
私がソフトブレーンを創業し企業にコンサルティングした際に、相手の担当者と話していて
分かったのは、企業が大学の教育に期待していないということでした。なんと「あまり
勉強しない学生がいい」いう採用責任者も多いのです。理由を聞きますと「どうせ役に
立たない古い知識しか教えていないから」というのです。
ビジネスマンと会話していると「大学では勉強せず、スポーツやアルバイトばかり
やりました」と自慢する人の多さにびっくりです。企業は終身雇用と称して社員を資本と
財産のように囲い込んだうえ、自社にしか通用しない人材に一から育て上げるのです。
これでは大学で勉強しないのも分かります。
以上述べたように、日本の社会は大学でどれだけがんばったかという「学習の履歴」
ではなく、大学に入るためにどれだけがんばったかという「在学の履歴」をもって人を
評価しています。この中途半端な学歴思考から脱しない限り、社会に不公平な人事評価を
もたらし、大学の学問の廃頽を誘発し、今回のような問題も発生してしまうのです。
[2006年11月6日]
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