07/05/03 03:33:34 0
・日本国憲法は満60年を迎えた。この間、この憲法が日本の民主主義や平和を支える基盤となって
きたことは疑いの余地がない。
憲法記念日は「言論の自由」の記念日でもある。新聞にはかつてその自由を奪われ、あるいは自ら
自由を放棄した苦い過去がある。そして朝日新聞にとっては、記者が凶弾によって命を奪われて
満20年という格別な日でもある。
そんな日にあたり、私たちは「社説21 提言・日本の新戦略」として、一挙に21本の社説を掲げた。
新聞を開いた読者は驚かれることだろう。8ページにわたって社説を並べたのは前代未聞の試みだ。
◇
「地球貢献国家」をめざそう。 これが「新戦略」のキーワードだ。
地球温暖化や人口激増、グローバル化による弊害……。さまざまに迫る地球上の困難に対し、省エネ、
環境技術をはじめとする得意技で貢献する。さまざまな国際活動の世話役となって実りを生む。それが、
日本の国益にも直結する。
9条を持つ日本の憲法は、そのための資産だ。だから変えない。これも私たちの結論だ。 ただし、
準憲法的な「平和安全保障基本法」を設けて自衛隊を位置づけ、「専守防衛」「非核」「文民統制」などの
大原則を書き込んではどうか。条文から自衛隊が読み取れないという「溝」を埋めるための工夫である。
国連主導の平和構築活動には、一般の軍隊とは異なる自衛隊の特性を守りながら、より積極的に
加わっていくことも、基本法にうたうのがよい。内戦や飢餓などで破綻した国の存在は、テロや戦争
だけでなく、麻薬や感染症などの恐怖を広げてしまう。その防止もまた「地球貢献」の一環なのだ。
以上が「社説21」の柱である。
◇
「いったい日本は何を考え、どこへ行こうとしているのか」
最近、外国でよく聞かれる言葉だ。
無理もない。例えば小泉政権の時代、首相はアジアとの和解を求める一方で、アジア外交を破壊して
まで靖国神社への参拝を繰り返した。いま、外に向けて日本の「自由と民主主義」や「戦後平和外交」に
胸を張る安倍首相は、その土台である憲法への誇りは語らずに「改憲」や「戦後レジームの脱却」を掲げる。
(>>2-10につづく)
URLリンク(www.asahi.com)