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十勝地方:異常気象で「野良イモ」繁殖
地球温暖化による気象変化で降雪時期が早まり、十勝地方の畑で「野良イモ」と呼ばれる雑草化
したジャガイモが増えていることが、北海道農業研究センターの広田知良主任研究員の調べで
分った。
冬の寒さで枯れていたのに、積雪が寒気を遮断して土壌を保温するため、イモが越冬できるよう
になったからだ。収穫量減少の原因となるため、農家は除去に手を焼いている。
収穫されずに土中に残り、芽を出したのが野良イモ。土の養分を奪い、病害虫発生の温床になる。
十勝管内更別村で90年代の半ばに増えたと言われ、それ以降、各地から増加の報告が相次いで
いる。広田研究員が昨年夏、十勝地方30カ所を調べたところ、野良イモは1ヘクタール当たり
最大2万株あった。
十勝地方は典型的な冬の気圧配置の西高東低では晴天になり、道内でも雪が少ない地域だ。
積雪がないと、地面が寒気にさらされて土壌凍結が進み、野良イモはほとんどなかった。
しかし、近年、初冬に西高東低が強まらず、低気圧の通過が増えて雪がよく降るようになったのが
、データから分った。
保温効果が出る積雪は20センチ以上と言われる。気象庁によると、帯広市で76~85年度までの
10年間に20センチを最初に超えた日は平均して1月7日だが、86~95年度は12月27日
、96~05年度は12月12日に早まった。このため、本格的な厳寒期の前に雪が積もって
地中温度が下がらなくなった。同センターの同管内芽室町での観測では、97年度以前は
最大20センチより深く土壌凍結していだが、98年以降は浅くなり、03、04の両年度はほとんど
凍らなかった。
野良イモの除去は1ヘクタール数十時間かかる。そこで最近、真冬に雪を掘って地面を露出
させる農家が出てきた。作業は1時間で済むが、深く凍結させると解けるのが遅れて畑作に
影響が出る心配もある。広田研究員は「北海道は地球の寒冷地域の南端にある。温暖化の影響
が最初に出てくる場所だ。野良イモ増加はその一つだ」と話している。【去石信一】
MSN毎日インタラクティブ
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