07/04/26 08:56:42 0
新聞の売り物は良心と正義であると、コラムニストの山本夏彦さんは皮肉った。
悪人をお白州に引っ張り出し、背中の桜吹雪の彫りものをグイと見せる。
「そこになおれ」と見えを切るのは新聞の快事である。ただ、新聞、雑誌は
ドラマの北町奉行とは違うから、事実の裏付けがなければただの虚報だ。
▼朝日は例によって良心と正義を振りかざし、安倍首相たたきに走る。
「週刊朝日」は走りがすぎて、長崎市長銃撃事件の発生と首相秘書のトラブルが
関係するような記事を掲載した。あれこれ書いたうえで、「事件の背景は
やはり奥深く、いまだ全貌(ぜんぼう)は見えない」とあやふやに結んだ。
▼実質1ページ半の記事なのに、広告は銃撃事件と秘書との「接点」を突き、
「背後にある『闇』」として政治の関与を印象づける。さすがの安倍首相も、
「言論によるテロ。報道ではなく政治運動ではないか」と怒り心頭に発した。
▼朝日は反論するのかと思ったら、小さな新聞記事でお茶を濁す。よく見ると、
後ろに5行ばかりの「広告の一部でおわび」があった。もっとも安倍首相が
反論すれば、読者の購買意欲を刺激し、週刊誌が売れる。かくて、
良心と正義の裏はソロバン勘定に通じる。
▼首相対朝日のバトルは2年前にさかのぼる。日本軍の慰安婦問題を取り上げた
NHKの番組が、政治的圧力で改変されたとかみついた朝日の記事掲載以来になる。
このとき、首相は「悪意と捏造(ねつぞう)」だとして事実の立証を求めた。
▼悪意ならメディアは信頼性を失う。小欄は「週刊朝日」が報じた関西テレビの
「あるある大事典」のインチキ掘り起こしを評価するものである。だから、
事実なら「がんばれ朝日」だし、あやふやなら「あやまれ朝日」なのだ。
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