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ベトナム戦争の深みにはまる米国を描いた「ベスト&ブライテスト」や
「メディアの権力」などの著者で米国を代表するジャーナリスト、作家だった
デビッド・ハルバースタムさんが23日、米カリフォルニア州サンフランシスコ南の
メンロパークで交通事故にあって死去した。73歳だった。
AP通信によると、カリフォルニア大の学生が運転する車に同乗中、他の車との
衝突事故に巻き込まれた。サンマテオ郡のフォークロウト検視官によると、
同日午前10時40分、閉じこめられた車から救急隊員が搬出したが死亡が確認された。
ニューヨーク市生まれ。ハーバード大を卒業後、55年にミシシッピ州の新聞で
記者としての活動を始め、公民権運動、米南部にはびこる人種差別の問題について
精力的に記事を書いた。
ニューヨーク・タイムズ紙に移った後、ベトナム戦争報道で64年にピュリツァー賞受賞。
フリーになって72年に出した「ベスト&ブライテスト」は、英知を集めた米国の
政策決定集団がなぜベトナムの泥沼化を見抜けなかったかを描き、ニュージャーナリズムの
傑作と評された。
できごとの背後にある「なぜ」に徹底した直接取材で迫った。79年の「メディアの権力」で
米国の大メディアの内幕と権力との関係を、86年の「覇者の驕(おご)り」では
日米自動車戦争の攻防を、89年の「サマー・オブ・49(男たちの大リーグ)」は
米野球の時代を画したペナントレースを取り上げるなど、幅広い視点で米国を切り取った。
テレビ報道の進出による米国の調査報道の衰退に警鐘を鳴らしていた。
日本のメディアについても取材対象に厳しく迫りきらない「報道保護主義」を批判した。
02年の「ファイアハウス」は、01年9月11日の米同時多発テロで出動した
ニューヨークの消防士たちを書いた。朝鮮戦争に関する著作を今年出す予定だった。
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