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(>>1のつづき)
どんな価値観の変化があるのか。香山さんは「反発したり、知りすぎたりすると損をする。
損得勘定が判断の基準になっている」と分析する。他者や社会との関係で揺れ、傷つく
姿を歌ってきた尾崎の歌とは対照的な考え方。彼の実人生に対しては、こんな感想さえ
あった。「容姿にも才能にも恵まれているのに変に反抗して、早く死んだのはバカだ」
学校や親への反抗、自分という存在についての不安。尾崎が歌ってきたのは、若者にとって
普遍と思われるテーマだったはずなのに、嫌悪にも似た反感が生じている。
尾崎の生涯を描いた著書がある作家吉岡忍さん(58)は「彼の歌は、内面に深く食い
込んできて、いまの若い人にとって触ってほしくないところに及ぶ。現状に適応してトラブル
なく日々を過ごすことに価値を置くと、そこに気づきたくないのだろう」と語る。
身近な人間関係に敏感過ぎるほど敏感といわれる現在の若者たちにとって、〈友達にさえ
強がって見せた 時には誰かを傷つけても〉(「卒業」)と歌う尾崎は余りにも重すぎるのだろうか。
それでも、その影響は消えたわけではない。
96年発売のベスト盤は約170万枚売り、いまなお年10万枚程度売れ続けている。
ミスター・チルドレンらが参加したトリビュート盤(04年)の影響もあってか、10代のファンも
増えてはいるという。
いま尾崎を聴くことの意味は何だろう。吉岡さんは「メッセージをそのまま受け入れる必要は
ない」と言う。そのうえで、何げない日常の、ある情景を鮮やかに切り取り、世の中を違った風に
見せた彼の「手法」を高く評価する。
「漠然と状況に流され、追従するのでなく、自分とその周りの社会や世界を見るために、
彼の手法の大切さは感じてもらいたい」(以上、一部略)
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