07/04/24 12:38:26 HomqVR3a0
没後15年尾崎はどこへ 消えた反抗心
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「学生の反応は年を追うごとに悪くなっている」と精神科医の香山リカさん
(46)も言う。00年ごろから大学の授業で「卒業」などを聴かせている。
当初から「この怒りがどこから来ているか分からない」という意見はあったが、
最近はきっぱりと否定的な感想が目立つという。
「周りに迷惑をかけるのは間違い」「大人だって子供のことを思っているのに反発するのは
おかしい」。体制や大人に反抗するのはいかがなものかという声だ。香山さんは
「これまで成長のプロセスにおける仮想敵だったはずの親や先生の善意を屈託なく
信じている」と首をかしげる。
どんな価値観の変化があるのか。香山さんは「反発したり、知りすぎたりすると損をする。
損得勘定が判断の基準になっている」と分析する。他者や社会との関係で揺れ、傷つく姿を
歌ってきた尾崎の歌とは対照的な考え方。彼の実人生に対しては、こんな感想さえあった。
「容姿にも才能にも恵まれているのに変に反抗して、早く死んだのはバカだ」
学校や親への反抗、自分という存在についての不安。尾崎が歌ってきたのは、若者にとって
普遍と思われるテーマだったはずなのに、嫌悪にも似た反感が生じている。
尾崎の生涯を描いた著書がある作家吉岡忍さん(58)は「彼の歌は、内面に深く食い込んできて、
いまの若い人にとって触ってほしくないところに及ぶ。現状に適応してトラブルなく日々を
過ごすことに価値を置くと、そこに気づきたくないのだろう」と語る。