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★長崎市長射殺:私道購入、住民に嫌がらせ 城尾容疑者
長崎市の伊藤一長(いっちょう)市長(61)射殺事件で、逮捕された山口組系組幹部、城尾(しろお)哲弥
容疑者(59)が95年、生活道路になっていた私道を購入して「無断通行禁止」などの看板を立てて嫌がらせ
をし、高値で住民に売り付けようとしていたことが分かった。転売益を目的とした「土地転がし」だったと
みられるが、住民が県暴力団追放県民会議の支援を受けて裁判で通行権を取り戻し、計画倒れに終わった。
当時の訴状によると、城尾容疑者が取得した土地は、長崎市江川町の国道から入った幅4メートルの私道
で長さは約80メートル。95年3月に、所有していた建設会社から購入した。
同8月から「無断通行を禁じる」「許可した人以外は道路使用料をもらいます」の看板を立て、自治会長らを
訪ね暴力団組長の名刺を出すなどして買い取りを求めた。金額は400万~1500万円を提示していたという。
さらに組員が、通行する車を止めて住所や名前、ナンバーを書かせた。住民は県民会議から資金面で支援
を受け、長崎地裁に通行を認める仮処分を申請、95年11月に認められた。
土地はその後、城尾容疑者から名義が変更されて競売にかけられ、57万円の最低価格に対し福岡県の
男性が1000万円で落札した。問題の再燃を恐れた住民96人は00年、男性に通行権を認めるよう求めて
提訴した。福岡高裁で03年、住民が100万円支払うことで通行する権利を確保する和解が成立した。
当時の住民側弁護士は「(高額な)落札価格といい、福岡の男性が購入する不自然さといい、すべて城尾
容疑者が裏で糸を引いていたのだろう。金もうけの話があると目ざとく首を突っ込む男だった」と話している。
一方、落札した男性側の代理人だった弁護士も「『住民から恨みを買うようなことをするのが任侠(にんきょう)
か』と城尾容疑者を諭し、和解させた」と話す。
毎日新聞 2007年4月21日 15時00分
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