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・「女子高生が作者」と銘打ってインターネット書籍の販売サイトで販売された官能小説
二十数作が盗作とわかり、削除される騒ぎになっている。盗作をサイトに投稿したのは
女子高生ではなく男子高校生だったことも判明。執筆者の身元や中身があまりチェック
されないまま、「電子作品」がネット上で流通している実態が浮かび上がった。
盗作が起きたサイトは「でじたる書房」。登録者の作品を電子書籍として販売し、売り上げを
執筆者とサイト側とで分けるというシステムをとっている。登録者のほとんどが素人だ。
問題の執筆者は「綾波美夏」という名前で昨年9月に執筆者に登録し、これまで官能小説
二十数作を投稿、販売。著者紹介欄に「女子高生3年が書いた小説です」と掲載。さらに
個人サイトに女性の顔写真入りで過激な文言もあったことから、ネット上で話題を呼んでいた。
今年1月、官能小説家の安達瑶さんの元に読者から情報が寄せられ、12年前に出版
された安達さんの著書と、タイトルも中身もまったく同じものがあることが判明。連絡を受けた
サイト運営会社が調べた結果、綾波氏が投稿した官能小説の大半が盗作で、被害を受けた
作家も約10人に及んでいたという。同社は、すべての作品を削除した。
でじたる書房は電子書籍を販売する前、登録執筆者とメールでのやりとりしかしていなかった。
担当者が盗作発覚後に綾波氏あてにメールを送ったものの、連絡はつかなくなり、安達さんが
ネット上の足跡などをたどって居場所を突き止めた。関係者によると、綾波と名乗る人物は
実際には男子高校生で、「話題を作りたくて、軽い気持ちでやってしまった」と話したという。
安達さんは「二度と著作権を侵害しない」と誓約書を書かせ、刑事告訴は見送った。
数人の作家が被害にあった出版社のフランス書院は、作家らの意向を聞いている。
電子書籍はこの数年、売り上げが急増しているが、ネット上で簡単にコピーできるテキスト
データで販売されているものも少なくない。男子高校生も、こうした小説をファイル交換ソフトを
使って入手していたという。(一部略)
URLリンク(www.asahi.com)