07/04/09 07:57:35 0
昔の日本映画を見ていると、ほとんどの男性が帽子をかぶっている。『サザエさん』の波平だって
出勤するとき帽子を欠かさない。なのに今、街で帽子姿の人をほとんど見かけないのはなぜか。
▼『諸君』5月号の座談会「されど、『昭和』は遠くになりにけり」の中で、川本三郎さんが、
「犯人は石原慎太郎だった」と指摘している。髪の毛を短く刈り込みながら、前髪は切りそろえず
額にたらしておく。いわゆる慎太郎刈りの流行した昭和31年ごろから、男も髪形を見せる時代が
始まったというのだ。
▼当時23歳の石原氏は『太陽の季節』をひっさげて文壇に躍り出たばかり。それから半世紀以上
たっても、「石原ブランド」は健在だった。きのう東京都知事3選を決めた石原氏(74)は、
久しぶりに慎太郎節を全開させていた。
▼もっとも、今回の選挙は、「反省」から始める異例の展開だった。四男の重用問題や高額の
海外出張費に対する批判の声の大きさは本人の予想を上回っていたからだ。ここを先途と、
一部の新聞、雑誌が繰り広げる露骨なネガティブキャンペーンにも苦しんだ。
▼浅野史郎氏(59)は、そんな有利な状況を生かせず、宮城県のような風を起こせなかった。
勝手連といえば聞こえはいいが、「国旗国歌」反対どころか、北朝鮮による拉致はなかった、
とまで主張するメンバーまで含まれていたというから、警戒感をもたれたのかもしれない。
▼都知事選は世代間戦争の様相も呈していた。石原氏が、高度経済成長を牽引(けんいん)した
昭和1桁(けた)世代に属するのに対して、浅野氏はそれに異議申し立てをしてきた団塊の世代。
都民は、「五輪でもういちど夢を」と主張する石原氏の「昭和の明るさ」を選んだともいえる。
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