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・首都圏を中心に、女性専用車両を導入する鉄道会社が増えている。朝のラッシュアワーに、
女性を痴漢から守るためだ。しかし、女性専用と分からないまま車両に足を踏み入れ、
冷たい言葉を投げつけられる視覚障害の男性たちもいる。この車両、障害のある男性も
利用できることになっているが、一般には知られていない。身が凍り付くような経験をした
障害者らは「交通弱者も利用できることをもっと知らせてほしい」と訴えている。
さいたま市に住む全盲の男性(41)は毎週2回、持病の療養施設に通うため東武野田線を
利用する。同線は05年6月以降、平日の早朝から午前9時まで最後尾1両を女性専用車両
とした。1年半ほど前、何気なく電車に乗ったところ、「ここは女性しか乗れませんよ」と女性客に
注意された。冷たい空気が車両に広がった。恥ずかしくて逃げ出したくなったが、満員で身動きも
取れない。揺れる電車の中でじっと耐えた。この時以来、男性はヘルパーを駅まで同伴して
確実に一般車両に乗ることにしている。
女性専用車両は、京王電鉄が01年に導入したのを皮切りに鉄道各社が取り入れるようになり、
現在はJR東日本や西日本、全国の私鉄15社が運行中だ。痴漢対策が主な目的だが、交通
弱者にも配慮して、障害者や女性に介護されている男性も乗車可能になった。
しかし、こうしたルールはあまり知られていない。日本盲人会連合の時任副会長は「我々は
急いでいたり、普段使わない路線を使う場合、つい間違えて乗ってしまう。鉄道事業者が
『障害者は乗車できる』と車内放送するだけでも十分な対策になるのだが……」と提言する。
「車内放送は駅間が短くて難しい面がある」と漏らす鉄道会社の担当者もいるが、全国の私鉄
71社が加入する日本民営鉄道協会は「障害者も乗れることを放送やステッカーで積極的には
知らせておらず、確かに対応不足。今後、一般に周知するよう取り組みたい」と話す。(一部略)
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