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チワワやパグは、同じ犬でもセントバーナードやグレートデーンと違い、なぜあれほど身体が
小さいのか。その主因は、細胞の成長や分裂を促す遺伝子の働きを制御するDNAに変異があり、
抑制されているためと分かった。米国立ヒトゲノム研究所やユタ大などの研究チームが6日付の
米科学誌サイエンスに発表した。
この遺伝子「インスリン様(よう)成長因子1(IGF1)」は、人間やマウスにもあり、働きが良くないと
身体が小さくなることが知られる。遺伝子の制御メカニズムの詳細が分かれば、さまざまな遺伝疾患
の解明につながると期待される。
犬は遅くとも1万5000~1万2000年前にオオカミが家畜化されたと考えられている。当初はこの
DNA変異のために小さく、野生では生きていけないオオカミが人間に飼われるようになったか、
人間側が扱いやすい小さいオオカミを飼うようになった可能性がある。その後は交配で大小さまざまな
犬種が生み出されたという。
この研究は、ユタ大のカール・ラーク名誉教授が1996年、全身が長い毛で覆われ、かつて漁師を
手伝ったことで知られる犬種「ポルトガル・ウオーター・ドッグ」の愛犬を亡くしたことがきっかけだった。
同名誉教授が同じ犬種を探してブリーダーの女性に連絡し、大豆の遺伝学者だと自己紹介したところ、
犬の遺伝研究を持ち掛けられた。
研究を始めてみると、同犬種は身体の大きさに非常に幅があることが判明。全米の飼い主に協力
を求め、約500匹の身体をX線で測定するとともに、DNA試料を採取して分析した結果、15番染色体
のIGF1遺伝子の働きを制御するDNA塩基配列に特定の変異があると、働きが抑制されて身体が
小さくなることが分かった。
研究チームはさらに、ドッグショー会場を巡り、143犬種の計約3200匹のDNAを分析して、この
変異と体格の関係を確認した。
URLリンク(www.iza.ne.jp)