07/04/03 17:27:04 0
・赤いランプがともると、「押せ」との命令。躊躇せずにボタンを押すと、空気が抜ける音と
同時に90センチ四方の床板が抜け、死刑囚は落下していった。
神戸刑務所教育部長などを歴任し、3月末で定年退官した藤田公彦氏(60)は自ら執行
した死刑を振り返る。
夜勤明けの午前8時半、数人が名前を呼ばれ、待機命令が出された。前日に警備隊が
刑場の清掃をしていたと聞いていたため、即座にその意味を察知した。
所長から執行の言い渡しを受けた死刑囚が拘置所西の廊下に連行され、約5メートル置きに
立つ警備の職員に「お世話になりました」と泣きながら刑場に向かう。
2畳ほどの狭い部屋に入ると、赤いボタンが5つ。うち1つが踏み板を落下させるが、どれが
通電するかは金庫のようなダイヤルで決められる。
下には死刑囚の体を抱きとめ、はねたり回転を止める係が。ベテランがあたる難しい
役目だが、「もう孫ができる年。勘弁して」と頭を抱える刑務官もいた。
「両手両足の錠は、ばたついて見苦しくならないための措置。ロープの結び目を首の横に
するのは落下後、後ろに回って、顔が正面を向くよう計算している」という。
ボタンを押すタイミングも「言い残したいことは?」との問いかけに答え終わってから。
途中だと舌をかみ、口から血を流して見苦しくなるからだという。
床板が落ちなかった場合のために非常用ハンドルもある。実際、刑務官の1人が
ボタンを押さず、使用されたケースもあった。
執行後、刑務官には精進料理が出て、手当(当時は3000円、現在は2万円)が渡されるが
みな無言。「味気なく、手当もその日中にパチンコで使い切った」
しかし、死刑囚によっては「子供1人を殺し損ねたことが残念」と笑って言い残したり、
心情安定の配慮で房内で飼っていた文鳥の首を、執行前にねじ折って殺していたケースも
あり、改めて、凶悪さに背筋が凍ることも多かった。
藤田氏は「観念や感情で死刑廃止を論議されても現場は困惑するだけ。終身刑が
死刑よりも人道的なのかどうか。論議する前に現場の実情を知ってほしい」と訴える。(一部略)
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