07/03/28 17:49:28 0
・役人のやることはいつも裏目に出てしまいます。海外のレストランで出される日本食を
気に食わない役人たちが何と認証制度を作ろうとしたのです。ちょっと考えれば「それは
ないでしょう」と言いたくなるような話ですが、どうも農林水産省は真剣そのもの。彼らは
都内のイタリアンレストランにイタリア政府の認証を欲しがるのでしょうか。
近年、ヘルシーでおいしい日本食の海外での人気が急上昇しています。私自身も北京や
上海などで実によく見かけます。これは10年前までは考えられないことです。
興味半分で入る時がありますが、正直言って「えっ、これは違うよ」と思うメニューは確かに
あります。でも店は明らかに日本をイメージしており、メニューのほとんどは日本食らしい
ものです。地元の人たちに「これは日本料理だ」と思われるように精一杯努力していて、
むしろ微笑ましいほどです。
現地の人がその料理を楽しんでいる姿をみると、私は自然と東京にある中華料理店を
思い出します。日本のラーメンも餃子も本場中国のそれとは違いますが、それぞれが
おいしいし、日本人に喜ばれているから定着しています。独自な進化を遂げた日本風
中華が本場の中国に逆戻りし、人気を博しているケースだってあります。
農林水産省の役人は自分の国のこともよく理解していないようです。日本こそ料理に
大変寛容な国です。東京にいれば世界中の国の食事を楽しめます。しかし、人気のある
外国料理の店は必ずといってよいほど日本人の味覚と習慣に合わせて進化を遂げた
店なのです。
役人たち自身も洋食や中華を楽しんでいるはずです。和食を選ぶ時と同じく、彼らは
好きな店に行き、好きなメニューを注文するだけです。決してイタリアや中国の政府が
作った認証を必要としないはずです。
こんな単純な理屈がわからないのは、霞が関に長く閉じこもりすぎたせいでしょうか。
世間を素直に見ることができないだけではなく、自分達のことさえも素直に見ることが
できなくなっています。(>>2-10につづく)
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