07/03/19 19:21:43 0 BE:788076498-PLT(10230)
小惑星イトカワへ一昨年に着陸後、さらに飛行を続ける宇宙航空研究開発機構の探査機「はやぶさ」は、
近く長距離航行用エンジンの運転を本格的に始め、地球への帰途に就く。
だが、地球到着時には当初の計画と異なり、機体を大気圏に再突入させる可能性が
高まっていることがわかった。
地上へカプセルを正確に落とすには、ぎりぎりまで地球に近づく必要があるからだ。
宇宙機構によると、はやぶさは現在、イトカワとほぼ同じ軌道を飛んでおり、
地球から約8000万キロ離れている。
この時期に出発すれば、太陽の周りを回る地球とはやぶさが約3年後に同じ位置に来る。
地球上空では、イトカワの試料が入った可能性のある直径40センチのカプセルを、
オーストラリアの砂漠地帯へ向けて放出する予定だ。
これまでの計画ではカプセル投下後、はやぶさの機体は太陽を回る「人工惑星」となるはずだった。
状態がよければ、さらに別の天体を探査することも想定されていた。
しかし、はやぶさは燃料漏れなどの故障が相次ぎ、微妙な姿勢制御が難しい。
運用チームには「カプセルの落下位置の誤差が大きいと街に落ちる恐れが出てくる」という心配の声もある。
そこで、カプセルを目標地点へ正確に落とすには、当初計画より地球に接近させる必要が出てきた。
その場合、カプセル投下後にエンジンを噴射しても、はやぶさは地球の重力を振り切れない可能性が高い。
宇宙機構の解析では、大気圏で燃え尽きるとみられている。
はやぶさは、自らの機体と引き換えに、小惑星からの試料回収技術と、
地球~小惑星間の往復飛行の実証という目的の達成を目指すことになる。
宇宙機構は今週にも、はやぶさのエンジンを連続して噴射し始める予定だ。
推進力は小さく、現在の軌道から本格的に動き出すのは、4月上旬になりそうだという。
プロジェクトマネジャーの川口淳一郎教授は「惑星間飛行は、日本が世界で初めて挑戦すること。
可能性がある限り、はやぶさの飛行を全力で続ける努力をしたい」としている。
URLリンク(www.asahi.com)