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オーストラリアで史上最悪級の干ばつが続き、乾燥に強いはずの野生ラクダが水や食べ物を求めて、
先住民の生活や固有の動植物を脅かすような事態となっている。
豪州のラクダは、もともと豪州にいたわけではない。交通網が発達していなかった19世紀、内陸部の
移動・輸送手段として、インドやアフガニスタンから輸入された。
交通網の整備で「用済み」となって放たれ、野生化。推定で約100万頭が、主に内陸部に生息する。
最近ではこのラクダをとらえ、砂漠観光用に使ったり、「故郷」の中東諸国へ家畜用などに輸出したり
する産業も成り立っている。
だが、干ばつで問題が起きた。同国の内陸は元々降水量が少ないが、最近5年以上の干ばつが続き、
特に昨年以降の降水量は史上最低水準。乾燥地にすむラクダも、耐えられない状態だという。
砂漠の知識に関する共同研究センター(アリススプリングズ)の発表によると、干ばつで「のどが渇いて
狂ったようになった」野生ラクダの群れが水を求めて、暴れ回っている。内陸部の先住民アボリジニーの
居住地では、水を探すラクダがトイレや水道設備、エアコンなどを壊す被害が出ているという。
野生ラクダが有袋類など豪州の生態系へ与える影響はまだよくわかっていないが、豪州環境遺産省の
資料によれば、干ばつ時には一部の在来植物で深刻な食害が知られている。特に水源の周りの生態系へ
の影響が懸念される。
ロイター通信などによると、被害を受けたアボリジニー居住地では、1週間に100頭のラクダが銃で
駆除されている。この15日には専門家会議が開かれ、緊急対策として、野生ラクダの頭数を管理する
計画について話し合いが持たれた。
[朝日新聞]2007年03月19日
URLリンク(www.asahi.com)
観光用や輸出用に集めるため、ヘリコプターで追い込まれる野生ラクダ
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輸出のため、トラックで運ばれる野生ラクダ。19世紀に中東からつれてこられたラクダの子孫だ
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