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原子力施設での臨界事故は過去に世界で60件発生していることが、国際原子力機関(IAEA)などの統計で
17日明らかになった。
大半は核燃料プラントなどで起きており、北陸電力志賀原子力発電所(石川県志賀町)の臨界事故は、商業
軽水炉で起きたケースとしては世界で初めてとなる。
IAEAや米ロスアラモス国立研究所の統計によると、1945年以来、今回のケース以外に米欧露など9か国で
60件の臨界事故が発生、計21人が死亡している。大半は核燃料を扱うプラントや実験施設で起き、原子炉での
臨界事故は40~60年代に8件あったのみ。これらも、燃料や炉の形式が異なっていたり、重大事故を模擬する
目的で作られた実験用の原子炉だった。
商業炉で起きた類似の例としては、80年代にスウェーデン南部オスカーシャム原発3号機で、発電目的の臨界
状態を確認する試験中に、制御棒が機能せず、臨界状態を止めるための緊急停止ができなくなったケースが
あるが、この時は別の方法を使って約4分かけて停止できたため、臨界事故にはならなかったという。
60件の中には、核分裂数がJCO臨界事故(99年9月)の約1000分の1という規模が小さいものも含まれる。
志賀原発の臨界事故については、国や北陸電が詳しく調査中だが、たとえ小規模でも、実験を前提としない
商業炉で、こうした事故が起きたとなれば、非常に特殊な事例として、海外から情報を求められる可能性も
出てきた。当時のデータが失われていれば、その点についても国際的な批判を浴びることになる。
(2007年3月18日12時49分 読売新聞)
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