07/03/18 21:33:48 QjP13s++0
>>771
解りやすく教えてあげる。
「国家主権の委譲」というのは、主権国家によって構成されるEUのような
地域共同体での政策決定に、一定のレベルで従うようになるということ。
EUはご承知のとおり、経済だけでなく安全保障に関しても地域的な統合を
図っているんだけれど、例えば、その構成国であるフランスやドイツの憲
法規定には次のようなモノがある。
■ドイツ連邦共和国基本法 第24条〔主権の委譲、集団的安全保障〕
(1)連邦は、法律により、主権を国際機関に委譲することができる。
〔ここでの議論に重要でないので、「(1)a」を中略〕
(2)連邦は、平和を維持するために、相互的集団安全保障制度に加入
することができる。その場合には、連邦はその主権を制限し、欧州お
よび世界の諸国民の間に平和的で永続的な秩序をもたらし、かつ保障
することに同意するであろう。
(3)国際紛争を規律するために、連邦は一般的・包括的・義務的な国
際仲裁裁判に関する協定に加入するであろう。
■フランス第五共和国憲法 第88条の2〔権限の委譲〕
① 共和国相互主義の留保のもとに、かつ、1992年2月7日に署名された
欧州連合条約に定められた諸方式に従って、フランスは、欧州経済・通
貨連合の確立に必要な権限を委譲することに同意する。
② 相互主義の留保のもとに、かつ1997年10月2日に署名された欧州連合
条約に由来する文書のもとで、欧州共同体を創設する条約に定められた
諸方式に従って、人の自由な往来とそれに関連する領域についての諸規
則の決定に必要な権限の委譲に同意することができる。
なんとなく理解できたかな?
東アジアは西ヨーロッパとは違って、文化的均質性が低いから、「東ア
ジア共同体」構想がそう短期間に成立するとは思えないけれど、将来的
には、この流れは必然ですね。