07/03/13 11:52:15 0
★【溶けゆく日本人】過保護が生む堕落(1)「最高学府」が泣いている
・終盤を迎えている大学入試。悲喜が混在した春の風物詩の裏では、受験生の親と大学の
呆れるばかりの“格闘”が繰り広げられている。
「教室が寒いと言っているので、室温を調節してください」
芝浦工業大学(東京)人事課の山下修さんは、この時期特有の苦情に、もうすっかり慣れて
しまったという。受験生の母親が入試の真っ最中に掛けてくる電話だ。受験生が休み時間に
携帯電話で母親に知らせ、母親が大学に連絡してくる。
昨年、同大学で実施した大学入試センター試験では、「窓の外で車のドアを閉める音がしたので
気になった、と息子が言っている」という苦情が寄せられた。このクレームは、母親が高校の
担任に報告し、担任が教頭に伝え、教頭が大学入試センターに連絡し、大学入試センターから
大学に話がおりてきたという“一大騒動”だった。
「試験会場で本人から『教室が暑い』などと意思表示があると、『しっかりした子だ』とすら
感じます」。山下さんの言葉には、「諦観」-そんな境地さえ漂う。
「特別教室で試験を受けさせてやってくれないですか」
複数の大学で職員を務めた女子栄養大学(東京)広報部長の染谷忠彦さんは、受験生の母親
からそんな電話を受けたことがある。理由を耳にし仰天した。「うちの子は集団が苦手だから…」-。
むろん、断った。「一応心配になったので当日その受験生を見てみたんです。ピンピンして
いましたよ」。あまりの過保護ぶりに染谷さんは苦笑するしかなかった。
「最高学府」-。確か大学はそう呼ばれていたはずだ。そのキャンパスライフにも、あらゆる
局面で親が顔を出す。
都内の理工系の大学では、5年ほど前から入学後の行事について、「ガイダンスは学生
1人で参加してください」などと、パンフレットに記載するようにしている。「書いておかないと
いつまでも顔を出す」(大学関係者)のがその理由だ。(>>2-10につづく)
URLリンク(www.sankei.co.jp)