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欧米を中心に世界で数千万人が利用しているといわれるビタミン、
ミネラルの栄養補助食品(サプリメント)には、寿命を延ばす健康効果が
ないとの研究結果を、このほどデンマークの学者らが発表し、波紋を
呼んでいる。
医療に関する研究の評価を続けている国際的な専門家グループ、
コクラン共同計画が、米医学誌「JAMA」で報告した。これまでに世界
各地で実施された68件の研究の成果を統合、分析した結果、サプリメント
の使用と死亡率の間には関連性がないことが分かったという。
同グループが分析したのは、ビタミンA、C、E、ベータカロチン、セレン
などのサプリメントの効果を調べた研究。標準量をはるかに超える摂取
を続けたケースや、偽薬を与えられたケースも含め、対象者を合計すると
23万人余りに上る。
報告によると、さらに「信頼度が高い」と判断された研究47件(対象者
約18万人)に絞って分析したところ、一部のサプリメントでは死亡率が
かえって高くなるとの結果も得られた。摂取した人の死亡率は通常に
比べ、ビタミンAで1・16倍、ベータカロチンで1・07倍、ビタミンEで
1・04倍と算出された。同グループのクリスチャン・グルード博士
(デンマーク・コペンハーゲン大学病院)は、「巨大なサプリメント業界が
効果を立証しようと研究を繰り返しているにもかかわらず、その目標は
達成されていない」と結論付けている。
この発表に対し、専門家からは批判が集中。栄養学者のミーア・
スタンファー教授(米ハーバード大)は、「それぞれの研究の対象者や
実施期間、摂取したサプリメントの内容には大きな差があり、統合する
には無理がある」と語る。また、サプリメント業界団体の研究者、
アンドリュー・シャオ氏は、同グループが分析対象となる研究を恣意的に
選んでいると批判する。
一方、米タフツ大のアリス・リクテンスティーン教授は、「今回の研究結果
から言えるのは、ビタミンなどを取ろうとする時、サプリメントには頼るべき
でないということ。栄養は食物から摂取すべきだ」と話している。
ソース(CNN) URLリンク(www.cnn.co.jp)