07/03/08 09:07:48 0
ありがとう、「優しさ」を ほのぼの君
ほのぼの君。りきまる君。たらちね君。おとめちゃん。ポニーちゃん。雲に乗った雷さまの親子。
犬のトキジロウ。ツバメやカエルやアリなどの小動物、季節ごとの草花たち。
1970年から37年間、春も夏も秋も冬も休刊日を除く毎朝、社会面の左上で当たり前のように
会っていた君たちとまさかバイバイする日がくるなんて、思ってもいなかったよ。
家族同然だったからね。ぽっかりと胸に穴が開いたような寂しさをこらえ、君たちの一人一人、
一匹一匹、一木一草に感謝の言葉を贈りたい。
社会面は、事件や事故など読んでつらい記事が多いから、その一角に目を移すと、ほっとした。
さわやかな風が心を吹き抜けた気がして、しばらくの間、ほんのり明るい気持ちになれた。ほろりと
したことも多かった。
それにしても君たちはこの間、ちっとも年を取らなかったね。だけど、生みの親の佃公彦さんは
今年の元日に77歳、喜寿を迎えた。
近年、ときどき体調を崩して休載することもあったけれど、回復するとすぐ机に向かい、ほのぼの君
を描き続けた。十分すぎるほど頑張ってくださった佃さんを、登場人物たちと一緒に大きな拍手で
ねぎらいたい。
ほのぼの君の誕生日は、実は56年3月23日だ。東京新聞が朝刊を出し始めたのに合わせて
君は生まれた。その君がもう51歳に近いなんて、とても信じられないよ。
ほのぼの君は、70年の元日に「ちびっこ紳士」のタイトルで再出発したときに、西日本新聞、
北海道新聞、中日新聞でも連載が始まり、後に中国新聞や徳島新聞にも載るようになった。徳島は
佃さんが戦時中、疎開した思い出の地だ。(つづきます)
=2007/03/08付 西日本新聞朝刊=
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