07/03/06 20:59:28 0
NHK国民生活時間調査は5年おきに国民の生活時間や様々な行動の実施率(行為者率)
を調査している。
1975年と2005年の30年間に、平日、新聞を読んだ者の比率が、男女別、年齢別にどう
変化したかを図録にした。(URLリンク(www2.ttcn.ne.jp))
1975年当時は、20代~50代の多くが新聞を読んでいたのに対して、今は、新聞をよく読む
のが60代以上という状況に大きく変化したのが印象的である。青壮年が読んでいた新聞
が今は高齢者が読むメディアに大きく変化したのである。
男30代は1975年に80%が新聞を読んでいたのに対して、2005年には29%しか読んで
いない。当初は活字離れ、テレビの影響、そして近年はこれに加えてインターネットの影響
が背景にあると考えられる。参考のために示した中間年1990データと比較すると分かる通り
新聞離れはインターネットの普及した最近だけでなく、1970年代・80年代から進行して
きていたのである。
これを新聞の危機と言わずして何と言おう。高齢者数が増えているので、なお国民1人
当たりの時間は減っておらず、急激な購読者数の減少には見舞われていないとしても、
今後は、かなり危ういことが容易に想像される。既に新聞の広告収入は減少傾向にある。
なお、男女の比較では、一般的には、男の方が女より新聞をよく読む傾向があったが、
最近では差が縮まり、2005年の40代~50代ではむしろ女の方がよく新聞を読むように
なっているのが目立っている。
新聞の危機は新聞の危機に止まらない。テレビ、インターネットを含んでマスコミ報道の
取材能力は新聞記者とその育成システムによるところが大と思われる。新聞記者の取材
能力は社会の木鐸、不偏不党、反骨といった性格をもつ歴史的な存在であり、色々問題
はあるにせよ、国民からの大きな信頼を寄せられている。この根幹が失われたとき、
ポリシーをもった持続的な取材能力をその他のどこに求めたらよいのであろうか。
(一部略)
社会実情データ図録:URLリンク(www2.ttcn.ne.jp)
前スレ:スレリンク(newsplus板)l50