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・昨年亡くなった作家、吉村昭さんに「休暇」という小編がある。新婚旅行の特別休暇を
取るために、死刑執行の補佐役を買って出る刑務官の、心の揺れを描いている。
刑務官は、絞首刑でつり下がった囚人を脇で支える役を引き受け、代償に休暇をもらう。
だが執行時の生々しい記憶が旅先にまでついてまわる。国家の命令で人を殺す者の、
心身の負担を、吉村さんは冷徹に凝視する。
国内でこのところ、死刑判決が急増している。凶悪な事件が多いためか、厳罰を求める
空気が社会に濃いといい、「死刑のハードルが低くなった」と感じる裁判官もいる。一方で
執行は減る傾向にあり、獄中の死刑囚は100人に達する見通しだ。現場だけでなく、
死刑を命じる法相の心の負担も、小さくないことをうかがわせる。
米ニューヨーク州で95年、警察官2人が射殺された事件を機に世論がうねり、死刑制度が
復活した。その法律に、州知事は2人が生前に使っていた2本のペンで署名した。美談
めいて伝わる逸話は、死刑から報復感情を切り離すことの難しさを物語っている。
フランスの文豪ユゴーは、「死刑台は様々な革命で転覆されていない唯一の建物だ」と
述べた。その仏で先ごろ、死刑を禁じる条項が憲法に加えられた。「罰することと復讐
(ふくしゅう)は違うのです」。ドビルパン首相が議会で語ると、大きな拍手がわいたそうだ。
被害者の無念、遺族の悲しみ、世間の怒り、さらに社会正義……。それらの先兵として、
人に、人を殺せと求める。それだけでも、死刑はむごい刑に思われてならない。
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