07/03/06 02:30:31 0
都営団地のアパートにある実家には、還暦を迎えた母親が暮らすが、3年近く会っていない。
ヤミ金融の人が取り立てに来るからだ。仕事が途切れた時に、2、3万円ずつ借りた額がふくらんだ。
先月、母から電話が来た。幼なじみが結婚するという知らせだった。家を出たころは近況を聞かれる
のが嫌で、電話を無視していた。久しぶりに言葉を交わした母はうれしそうだった。
何か知識を身につけなければと思うが、働くだけで終わってしまう。頻繁に職場を変えるので、
仲間もいない。いつも1人なので、危機感が薄く、何となく時間を過ごしてしまっていた。
ひっそりとした店内で男性はなかなか寝付けずにいた。港の荷役作業の仕事が決まったからだ。
日給1万2000円で契約期間はない。「あしたから来てくれ」と連絡があり、「この生活から
抜け出せるかも」と思った。
翌朝、携帯電話が鳴った。「今日は来なくていい。また連絡します」。気を取り直して、日雇いの
引っ越し作業の仕事に応募した。
別れ際に記者に語った。「今日初めて、自分の生き方を人に伝えた。話をしているうちに、頑張って
働こうという気がわいてきた。色々と考えてみます」。初めて笑顔がのぞいた。
<メモ> 981万人
国税庁の調査によると、年収200万円以下の給与所得者は1995年は793万人(全給与所得者
の17・8%)だったが、2005年には981万人(同21・8%)と拡大。厚生労働省の06年
版労働経済白書は、「収入の低い20歳代の労働者の割合が高まっており、行方が懸念される」と
指摘している。
URLリンク(job.yomiuri.co.jp)
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