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インターネット掲示板「2ちゃんねる」への誹謗(ひぼう)中傷の書き込みなどを巡り、
管理者西村博之氏(30)を相手取り、名誉棄損などを訴える民事訴訟が全国で50件以上
起こされ、少なくとも43件で西村氏側の敗訴が確定していることが読売新聞の調べで
わかった。
この結果、西村氏に命じられた賠償額は約5800万円、仮処分命令などに従わないこと
による「制裁金」が1日当たり約88万円、累計約4億3400万円に上るが、西村氏が
自ら支払いに応じたケースはほとんどないと見られる。原告側は勝訴にもかかわらず賠償を
得られない状態で、ネットの無法状態と司法の限界が露呈した形だ。
西村氏に対する訴訟は2001年以降、東京地裁だけで50件以上が起こされ、うち40
件の敗訴が確定。ほかにも札幌、大阪、神戸の各地裁で計3件の敗訴が確定している。
訴えの内容は、〈1〉書き込みの削除請求〈2〉プロバイダー責任法に基づく、書き込ん
だ人の発信者情報の開示請求〈3〉書き込みを放置した管理者責任を問う損害賠償請求―
がほとんどだ。このうち、01年7月に東京都内の動物病院経営者が「えげつない病院」
などと書き込まれたとして提訴した訴訟では、400万円の賠償命令が確定。昨年1月に
も、北海道の大学助教授が「人種差別者」「精神異常者」などと書き込まれたとして賠償を
求めた訴訟で、110万円の賠償を命じた判決が確定している。
(2007年3月5日14時30分 読売新聞)
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