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近ごろこんなに刺激的で、考えさせられた論争はない。『論座』四月号
(朝日新聞社)の“「『丸山眞男』をひっぱたきたい 希望は、戦争。」への
応答”だ
▼最初に同誌一月号に「丸山眞男をひっぱたきたい」という挑発的な
タイトルで論文を寄せたのは、三十一歳のフリーター、赤木智弘さん
だった。結婚どころか、親元に寄生、月収十万円で自分一人も養えない
“ポストバブル世代”の窮状を代弁
▼その“右傾化”の背景には、「平和な社会の実現」の名の下に、
経済成長の利益を享受してきた先行世代への不満があり、「左傾勢力
が擁護する労働者の利権を奪い取っておれたちに分けてくれと期待」
しているという。それには「極めて単純な話、日本が軍国化し、戦争が
起き、たくさんの人が死ねば、日本は流動化する。若者は、それを
望んでいる」と言い切る
▼かつて三十歳で二等兵として召集された東大エリートの丸山眞男氏が、
学歴もない一等兵にイジメられたことを例に、戦争とは現状をひっくり返して、
イジメられてきた私たちが丸山眞男の横っ面をひっぱたけるかもしれない、
逆転のチャンスだ、という論法になる
▼これが多くの論者の心の琴線に触れたようだ。同誌四月号では評論家
の佐高信さんや映画監督の若松孝二さん、森達也さんらが厳しい批判や
助言を寄せる
▼だが鶴見俊輔さんは、インタビューの中で「民衆の底に隠された問題
を提起している」と受け止め、吉本隆明さんはかつての自分と重ねながら、
不平不満にとどめず、自問自答を続けよとアドバイスする。
ソース(東京新聞・筆洗)
URLリンク(www.tokyo-np.co.jp)