07/03/01 21:26:22 0
・2月上旬、東京都町田市で開かれた講演会「元気な脳のつくりかた」。約700人の保護者に
森昭雄・日本大教授(脳神経科学)が語りかけた。脳の画像を示しながらの講演は刺激的な
警告に満ちていた。
「15年間、ゲームを毎日7時間やってきた大学生は無表情で、約束が100%守れない」
「ゲームは慣れてくると大脳の前頭前野をほとんど使わない。前頭前野が発達しないとすぐキレる」
森教授は02年、「ゲーム脳」仮説を提唱した。テレビゲームをしている時には脳波の中のベータ波
が低下し、認知症に似た状態になると指摘。その状態が続くと前頭前野の機能が衰えると警告した。
単純明快なストーリーはマスコミに乗って広がり、暴力的な描写に眉(まゆ)をひそめる教育
関係者や、ゲームをやめさせたい親に支持された。
しかし、ゲーム脳はニセ科学だとする専門家の批判は強い。この日も「ニセ科学を教育に持ち
込むのは問題だ」との意見が7件、後援する市教育委員会に寄せられた。市教委は「(ゲーム脳
という)考え方があることを紹介する講演会。判断は聞いた人にゆだねたい」と話した。
批判される理由はいくつかある。
森教授は一般向けの本や講演を通して仮説を広めてきた。本来、仮説は他の科学者が同じ
条件で試すことで初めて科学的検証を受けるが、その材料となる論文は発表されていない。
手法にも批判がある。森教授は自ら開発した簡易型脳波計による計測で仮説を組み立てたが、
複雑で繊細な脳機能をその手法でとらえるのは不可能、というのが専門家の共通した見方だ。
科学界からの声に森教授は「脳波を知らない人や、ゲーム業界の支援を受けている人の
主張だ」と反発する。「電極を増やした精密計測も進めており、論文はいずれ書く」とも話した。
最近になって「ゲームはいけない」との主張を「1日15分なら大丈夫。共存も考えなければ」と
変えた。こうした一貫性のなさも不信を持たれる一因だ。
ゲームは脳に悪いのか。これに答える科学的材料は現時点ではない。(>>2-10につづく)
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