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・文科相発言は二十五日、長崎県長与町での自民党支部大会で飛び出した。伊吹氏は
「大和民族がずっと日本の国を統治してきたことは間違いない」「日本は極めて同質的な国」と
話し、人権をバターに例えて「どんなに栄養があっても、毎日バターばかり食べていれば
メタボリック症候群になる。人権は大切だが、尊重しすぎたら、日本社会は人権メタボリック
症候群になる」と言い切った。
文科相発言のうち「大和民族が」のくだりは一九八六年の中曽根康弘首相(当時)発言を
想起させる。同首相は「日本は単一民族」と述べ、アイヌ民族の抗議を受けた。
アイヌ民族の先住民としての権利確立を訴える北海道の地域政党・新党大地の鈴木宗男
代表(衆院議員)は伊吹発言について「いまだに民族と国民の違いが分かっていないんだね」
と苦笑する。「米国でもロシアでも少数民族の権利確立は認められており、世界標準。
ところが日本政府はできていない。その結果、こんな発言が出てくる」
もう一つの「人権メタボリック症候群」についてはどうか。
DPI(障害者インターナショナル)日本会議の楠敏雄副議長は「伊吹さんが心配しなくても
日本の人権は欧米に比べ、はるかに遅れている。現実を知っていたら、こんな妄言は
出てこないはず」と話す。
「政府は過去、障害者を囲む壁として法、心、物理的な構造、情報の四つを挙げた。
とりわけ重要な前者二つの柱は『権利』の視点だが、それはいまだに確立されていない。
同じ人間としての認識というより、劣った人々へ『恩恵』を与えるという解釈が根強い」
被差別部落出身で現在、山口県人権啓発センターの事務局長を務める川口泰司氏は
「権利ばかり求め、義務を怠るという“人権”批判は繰り返されてきた」と前置きしてこう語る。
「人権というのはどんなに個人に欠点があり、行いに落ち度があっても、それを理由に
差別してはならないという意味で『尊重しすぎ』はあり得ない。『あの子は協調性がないから、
いじめられても仕方ない』という“いじめ”の論理はまさに人権無視。しかし、文科相はその
基本のキを理解していないのでは」 (>>2-10につづく)
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