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<三遊亭円楽さん>引退を表明 「恥をかきたくない」と
人気落語家の三遊亭円楽さん(74)が25日、東京・国立演芸場で開かれた
落語会「国立名人会」の終了後、「きょうで噺家(はなしか)として引退したい」と、
落語界の第一線から退くことを明らかにした。
円楽さんは05年10月に脳梗塞(こうそく)で入院。その後、復帰したが、
06年5月には83年から務めてきた人気テレビ番組「笑点」の司会を勇退した。
1日おきに人工透析を続け、語りに影響する歯の具合もよくないなど体調の不安を抱えている。
この日はトリで得意ネタの「芝浜」を約45分間演じ、満員の観客から大きな拍手を受けた。
しかし直後の記者会見では硬い表情で、「もうちょっとはっきりしゃべれると思ったら、だめですねえ。
こんな噺をお客様の前でやるのは情けない」と発言。「今後よくなるということはないですから。
こんな調子ではどうあがいても無理ですね」と引退を表明した。
円楽さんはこの日に向け、半年以上前から1日3回のけいこを重ねたが、「ろれつが回っていない。
こんな調子で恥をかきたくない」と語った。今後、弟子の落語会などにゲスト出演し小咄(こばなし)や
トークを披露することはあるが、独演会は開かないという。
過去には、昭和の名人といわれた八代目桂文楽が高座で言葉に詰まり、「勉強し直してまいります」と
言い残し、そのまま引退した例などがある。円楽さんも先輩たちの引き際の潔さに触れ、
「長い間お世話になりました」と頭を下げ高座を後にした。【油井雅和】
◇引退撤回頼みたい
円楽さんから「笑点」の司会を引き継いだ落語芸術協会会長、桂歌丸さんの話
引退すると言っちゃったことは大変に残念。まだまだ後輩たちのお手本として高座に座ってほしいのだが。
私たち噺家はしゃべらなくなったらただの人。多少体調が悪くて失敗することは誰だってある。
自分で決めたことを曲げる人ではないが、しばらくしたら引退を撤回するように頼んでみたい。
2月25日20時6分配信 毎日新聞
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