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重要文化財の仏画を強奪しようとして、愛知県警などに逮捕、起訴された
韓国籍の男が、別の窃盗団が盗んだ仏画を元の所有者に買い戻すよう持ちかけ
ていたことが、同県警の調べで24日、分かった。
同県警では、男の背後に盗品を扱う販売ルートがあるとみて調べている。
逮捕されたのは、韓国籍の住所不定、金在七(キム・ジェチル)被告(48)
(公判中)。2005年8月と昨年9月、愛知県御津町と福井県敦賀市の二つの
寺で、国指定重要文化財の高麗仏画「絹本著色王宮曼荼羅図(けんぽんちゃく
しょくおうきゅうまんだらず)」などを奪おうとしたとして、強盗傷害罪などで
起訴された。
金被告は一昨年5月にも来日し、兵庫県加古川市の鶴林寺を訪問していたことが
判明。幹栄盛(みきえいせい)住職(69)をソウル市内のホテルに呼びだし、
同寺で02年7月に盗まれた国の重文の高麗仏画「絹本著色弥陀(みだ)三尊像」
を買い戻すよう働きかけたが、金額が折り合わなかった。
金被告は愛知県警の調べに対し、「ソウル市内のカジノで出会った、自称会社社長
の『朴』と名乗る人物から『3000万円で買い戻させれば、600万円の報酬を払う』
と持ちかけられた」と供述した。
韓国国内では1995年、骨董(こっとう)品の鑑定番組が人気となるのと時を同じく
して、古美術品の盗難事件が急増。ソウル警察庁は昨年、韓国各地で仏像や仏画2358点、
80億ウォン(約10億5000万円)相当を盗んだ男を逮捕した。一方、日本国内で盗難
で所在不明となっている美術工芸関係の国指定重文は、文化庁の昨年10月の調べで52点
(国宝8点)。
長崎県・壱岐の安国寺から94年に盗まれた仏教経典「大般若経」は、韓国で95年、
国宝に指定された。日本政府は、韓国政府に調査協力を依頼したが、ソウル中央地検は、
最終的な購入者が盗品とは知らずに買ったもので、民法上の「善意の取得」と判断。
経典は日本に戻っていない。
(後略)
■ソース(読売新聞)(ソウル支局・中村勇一郎、中部社会部・半田真由子)
URLリンク(www.yomiuri.co.jp)