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・東京都多摩市で昨年12月、元都庁職員の前島忠夫さん(当時66歳)の遺体が自宅床下
からコンクリート詰めで見つかった事件で、警視庁多摩中央署捜査本部に20日、死体損壊・
遺棄容疑で再逮捕された中国出身の交際相手、金田洋子容疑者(40)が、自らの半生を
著したとみられる小説を自費出版していたことが分かった。
小説のタイトルは「自由の天使」。94、96年に上下巻の2冊を、日本語で自費出版した。
上下1000部ずつで、近親者に配布されたほか、書店などでも流通したらしい。帯には
「体験小説」とあり、ペンネームは「安娜(アンナ)」。白いワンピース姿で芝生に横たわる
金田容疑者の写真が掲載されている。
小説の主人公は「楊益(ヤンイ)」。中国四川省の貧しい家庭に生まれた。美ぼうと知性を
生かして、洋服販売の事業で広東省広州市などを舞台に成功。89年の天安門事件後、
自由を得るため、恋愛関係になった妻子ある日本人の部下と中国で結婚して短期ビザを
取得し、日本へ渡る。千葉県で生活するが夫とは同居せず、来日約3カ月で離婚。一方、
交際中の国会議員に、国内在留の資格を得るための「偽装結婚」の相手として40代の男を
紹介されるまでを描いている。
捜査本部の調べでは、金田被告の中国名は「余発玉」で、四川省江津市の出身。
高校卒業後、洋服販売の仕事をしながら、広州の夜間大学に3年間通ったが中退した。
中国で日本人男性と結婚し、15年前、短期90日の観光ビザで入国した。日本では婚姻届は
出していない。2年ほど、千葉県内の中華料理店で働いた。95年に知人の茨城県内の市議の
紹介で、地元の市場に勤める20歳近く離れた40代半ばの男性と結婚した。この男性とは
その後死別している。
金田容疑者は、前島さんの交際相手。同居していた近藤順一被告(64)=詐欺罪で起訴=と
ともに、前島さんの口座から現金34万円を引き出したとして詐欺容疑で逮捕、起訴されていたが、
死体損壊・遺棄容疑で20日に再逮捕された。前島さんや近藤被告に当たる人物は著書には
登場していない。(一部略)
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