07/02/18 15:15:28 0
・「私はハーバードの女性学長ではなく、学長です」。米ハーバード大の新学長に選ばれた
ドリュー・ギルピン・ファウストさんの言葉だ。
しかし、大きく報じられたのは、この世界屈指の名門大学で、1636年の開学以来、初の
女性学長であることを抜きには考えられない。
これでアイビーリーグと称される米東部の名門8大学の半分が、女性の学長に率いられる
ことになった。一方、連邦議会には初の女性下院議長ナンシー・ペロシさんが誕生し、ヒラリー・
クリントンさんは大統領の座をめざす。このところ女性リーダーの活躍が目立つ。
米社会には「ガラスの天井」という言葉がある。だれにでも門戸が開かれているように見えても、
実際は女性の昇進を阻む目に見えない障壁のことだ。長らく女性の頭を抑えてきたが、ここにきて
少しずつ消えつつある。
ドイツでは05年に初の首相が誕生し、フランスでも大統領をめざす候補が活動中だ。お
隣の韓国でも、女性大統領が誕生する可能性がある。 さまざまな場所で活躍し、その中で
ごく自然にリーダーが育つ。世界各地に新しい風が吹いている。
日本はどうだろう。
女性がどのくらい社会の意思決定に加わっているかを測る「ジェンダー・エンパワーメント」と
いう指標がある。国会議員や専門職、管理職に占める割合などを比べる。それによると、
75カ国・地域の中で42位にとどまる。
国内でこうした指導的立場にある女性の割合は平均して10%ほど。米国の約42%、ドイツの
約35%などに比べて著しく低い水準であることを内閣府も認めている。たとえば全国に87校
ある国立大学のなかで女性学長がいるのは、お茶の水女子大と東京外語大だけだ。
政府は、指導的な地位に就く女性を20年までに30%に引き上げる目標を掲げている。
「活力ある経済・社会をつくるには、多様な視点と新たな発想が必要」というのがその理由だ。
この言葉からも、女性が果たす役割は明らかだ。閣僚から「産む機械」などという言葉が
飛び出すようでは、世界の流れからはますます置いていかれる。(一部略)
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