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違法な「偽装請負」の是正策の一環として、請負・派遣労働者の一部を
正社員に採用すると昨夏に表明していたキヤノンが、その後半年間の
検討を経て、当面は高校新卒者らの正社員採用を優先する方針に転換した。
政府は、新卒一括採用システムの見直しや非正規労働者の正社員化の
推進を重点課題にしているが、キヤノンの方針転換は、こうした流れに
逆行しそうだ。
キヤノングループでは、他社に雇われた非正規労働者を派遣契約なし
で直接使う偽装請負が各地の工場で発覚し、労働局の指導を受けた。
昨年8月に社長をトップとする「外部要員管理適正化委員会」を設置。
偽装請負の解消に取り組むとともに、工場で請負や派遣で働く2万人
以上の労働者から1、2年のうちに数百人を正社員に採用すると表明した。
ところが、今月に入って取材に応じた人事本部長の山崎啓二郎取締役は
「技術の伝承、組織の活性化のために、若い人を採ることになった。新卒の
定期採用のほうが中長期には人材的に安定する」と説明。代わりに高校や
工業高専の新卒者の定期採用に力を入れる方針を明らかにした。08年春
は高校新卒を100人、高専新卒を40人と採用をほぼ倍増させるという。
同社は非正規労働者の正社員化について「撤回したわけではなく、
優秀な人がいたら採用する」という。ただ、その判断はグループ各社に
委ねており、採用予定数も示していない。
国内のキヤノングループでは、昨年6月時点で製造にかかわる請負
労働者が約1万5000人、派遣労働者が約7500人いた。偽装請負解消
に伴い派遣を増やしたため、昨年12月には請負が約1万2000人に減り、
派遣が約1万2500人に増えた。昨年は、大手請負会社コラボレートが
偽装請負で事業停止処分を受けて製造請負から撤退したことなども
あって、製造にかかわる派遣労働者のうち約200人を期間従業員として
直接雇用したという。
(以下略、全文はソース元でご確認下さい)
ソース(朝日新聞) URLリンク(www.asahi.com)