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◇現代学生に説得力 白樺文学館が企画、きょう講演会--我孫子
日本を代表するプロレタリア文学作家、小林多喜二(1903~1933)の代表作「蟹(かに)工船」が白樺
文学館(佐野力館長)=我孫子市緑2=の企画で、漫画「30分で読める大学生のためのマンガ・蟹工船」(作画
・藤生ゴオ)として出版された。資本主義社会の矛盾としての「格差社会」を鋭く批判した内容が分かりやすく描
かれており、高校生や大学生らの評判となっている。【大矢武信】
同文学館は、多喜二の小樽商大の後輩に当たる佐野館長(65)が6年前に自費3憶円余りで創設。多喜二はじ
め、白樺派の志賀直哉、柳宗悦、武者小路篤実らの資料収集や研究をしている。
これまでも、多喜二と志賀との親交を示す書簡の公開などで注目されてきた。
プロレタリア文学の金字塔である「蟹工船」は、かつては学生の必読署だったが、最近は、敬遠されがち。佐野
館長は「内容は現代にも十分通じる。マンガなら若い人も関心を持ってくれる」と漫画化を決めた。
ストーリーの編集を行い、時代劇漫画の第一人者、藤生さん(61)に作画を依頼。昨年11月に東銀座出版社
(東京・本郷)から発刊した。初版(6000部)は完売で、2版も売れ行きは上々という。
漫画はA5判184ページで、定価600円(税込み)。蟹工船で過酷な労働を強いられた漁民や少年労働者ら
が資本家の搾取に負けず、最後に立ち上がるまでが生き生きと描かれている。巻末には島村輝・女子美術大教授の
「時代解説」も付いている。
同文学館は「ちばDC・あびこ」の特別イベントとして、9日に講演会「小林多喜二は生きている=蟹工船の
マンガから小説まで」(講師・島村教授)を開催する。信念を曲げず、警察の拷問で獄死した多喜二の素顔を知る
絶好の機会となりそうだ。
佐野館長は「漫画の次は原作も読んでほしい」と話している。問い合わせは同文学館・渡辺副館長(略)
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