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3匹の子ブタ 殺人? 正当防衛?
長野の中学生 童話で“裁判”
煮えたぎる鍋でオオカミを死なせた子ブタの行為は「殺人」か、それとも正当防衛か-。
長野県上田市の上田第2中で、童話「三匹の子ブタ」を題材にした社会科の授業が行われた。
裁判員制度導入が決まり、生徒に裁判を身近に感じてもらうための実践で、
10日から大分県で開かれる日教組の全国教育研究集会で報告される。
授業は、茨城県弁護士会が作成した教材をもとに昨年9月に実施。
中3の社会科で「裁判と私たち」と題し、長野地裁の裁判官も参加した。
生徒は裁判制度について学んだ後、刑法に照らして子ブタの行為を議論。
「子ブタが湯を沸かした鍋はあまりに大きく不自然。計画的な犯行だ」と殺人罪を主張する生徒がいれば、
“無罪派”は「オオカミは子ブタを食べようとしており正当防衛が成り立つ」と反論。
別の生徒からは「煮えたぎる湯の中でオオカミが出られないように
ふたをしたのは防衛の程度を超える」と、過剰防衛を主張する意見も出た。
議論の結果、クラスの総意として「殺人罪」の結論を導き出した。
「話し合う中で自分の考えが揺れた」「互いに根拠を示して議論する経験ができた」と、生徒の評判も上々だったという。
担当の栗林幸治教諭は「相手の話を聞いて柔軟に考えを変えることも必要だが、
自分の考えに根拠を持って簡単に迎合しない姿勢を身に付けることも重要だ」と授業の狙いを説明する。
多くの生徒が下した量刑は「懲役3年から5年」。
裁判官に「実際なら10年から15年のケース」と聞かされると、驚く声が上がったという。
【三匹の子ブタ】 民間伝承として語り継がれる童話。3匹の子ブタがそれぞれわらの家、木の家、れんがの家を建てた。
わらと木の家はオオカミに吹き飛ばされ、子ブタは食べられてしまう。れんがの家は吹き飛ばされずにすむ。
あきらめきれないオオカミは煙突から忍び込もうとするが、子ブタの用意した熱湯の入った鍋に落ち、死んでしまう。
結末でオオカミが逃げていくなど複数のストーリーがある。
中日新聞
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