07/01/20 14:16:19 O
・「教室から退出させる」や「廊下に立たせる」は体罰ではない-。そんな方向転換を盛り込んだ
報告案を政府の教育再生会議が打ち出した。学級崩壊などに悩む教師の声を受けての転換だと
いうが、そもそもこんな手段さえ禁じ手になっていたという事実に驚く。
「日本の学校では二十年ほど前から、生徒が『もう先生の言うことは聞かない』と決めてしまうと
教師は何もできない状態が続いている」
中学教師として三十八年間教壇に立った経験をもつ日本教育大学院大学の河上亮一教授は、
現在の教師が置かれた状況をこう話す。
かつては「教師にゲンコツをもらう」とか、「廊下に立たされる」とかは、普通に行われていた。
それが変わったのは八〇年代に校内暴力が頻発したことがきっかけだ。
「世の中全体が生徒の人権尊重という流れに傾いていく。親やまわりの大人から『説得できない
のは教師の力量が下がったから』と言われ、教師が何もできなくなった」と経緯を説明する。
現役の男性都立高校教諭(59)も「若いころは騒いだ生徒たちの首根っこを力ずくで押さえつけた
ものだが、今では全くできなくなった。教師と生徒の関係が変わってしまった」と嘆く。
この流れは、どんどん加速している。「数年前まで生徒の捨てぜりふは『校長に言い付けて
やる』とか『教育委員会にチクるぞ』だったが、今の子は『おまえを辞めさせてやる』とくる。
生徒にとって教師はいつでもやっつけられる相手になってしまった」と同教諭。教育再生会議が
体罰の定義を見直すのは、こうした問題に教師が対処できるようにするのが目的だ。
しかし、「基準の見直し」で、どの程度の実効性が見込めるかとなると疑問の声も上がる。
都内区立小学校の教諭(53)も批判的な見方をする。
「暴力的な行為をする児童が、家庭でも親から暴力を受けていることが多いのは、私のクラスの
例を見ていて実感する。体罰を認めることを前提にした見直しはそもそも間違っている」
(>>2-10につづく)
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