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・「溶けゆく日本人」―産経新聞で始まった連載企画の題名である。表題の示すとおり、「本当に
日本人は南極の氷のように溶け始めているのではないか」と、個人的に共感する部分が多い。
議場で携帯電話に興じる国会議員、給食費はおろか小学校の授業料まで「義務教育だから」と
払おうとしない親、電車内で黙々と化粧にいそしむ女性たち、公園に家庭ゴミを捨てに走る人たち。
日本人のマナーの低下とその“公”意識のなさは、何も今に始まったことではない。しかし、その程度と
開き直りはますます深刻になっているし、時と場合によっては人の生命にかかわる問題ですらある。
親が悪いと言ったところで、その親でさえ自分の家の事情しか考えない“自己チュー”の割合が増え
続けているのが現実だ。あえて言えば、日本の戦後教育が「自分らしさ」とか「選択の自由」を強調し
過ぎたため、私も含めて多くの人間が、人生の本質を教えられないまま育って来たのではないだろうか。
人は生まれれば必ず死ぬ。そして、生きていくために人の手を借りないといけない。また、ルールに
従うという知恵をキチンと身に付けないと、争い事が絶えなくなるということだ。
『国家の品格』を書いた藤原正彦さんではないが、本当にこの国の「国柄」と呼べるものは地に堕ちた
という気がする。かつて日本を訪れたイエズス会神父のロレンソ・メシアは「日本は想像もつかぬほど
清潔な国だ」と書いた。日本を訪れた外国人の印象は、信長の時代から江戸、明治とほぼ変わって
いないのだ。「こんなに人々が親切で美しい国は、絶対に世界中にない」だったのである。
そして、ここに来ての兄弟によるバラバラ殺人事件、さらにセレブ夫婦(あえてこの言葉を使う)間の
バラバラ殺人―。
先述した藤原正彦さんは、著書だけでなく本人の語り口も明快だ。テレビでの「子どもが間違った
ことをしたら、2、3発張り倒せばいいんですよ。私はそうしてきました。ただし、ほめる時は徹底的に
ほめ上げます」とのコメントが印象的だった。恐らく、この2つのバラバラ事件の被疑者の親たちは、
子どもたちを“張り倒す”ことはできなかったのではないだろうか。(一部略)
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