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・海外の日本料理店で出される「ちょっと変わった日本食」を“選別”する制度を、農水省が
検討している。背景には日本食材の輸出もあるようだが、お役所が味付けにまで注文を
付けることに疑問の声も少なくない。本当にそんな制度は必要なのだろうか。
バンコク郊外にある日本料理店「SAKURA」の名物はカレー天丼。ご飯の上に大きな
エビ天が3本並び、カレーのルーがどっさり。カレーも天丼も確かに日本の味だが、
ほんのり甘いエビ天の風味を激辛カレーが見事に打ち消している。
パリでも日本食レストランが増え、総数は600店も。しかし、約9割が中国人の経営と
みられ、日本人には「日本食まがい」と映る店も少なくない。
農水省によると、日本食を出す料理店は海外で2万~2万4000店(推計)。中でも米国は
10年前の2.5倍になった。しかし、食材や調理方法が日本食とかけ離れた店も多いため、
農相が昨年11月、「本物の日本食を世界に広めたい」として「優良店」指定制度を打ち出した。
一方、この制度を疑問視する声も強い。洗練された日本料理店がそろうニューヨーク。多様な
民族が暮らす町だけに、日本食がほかの国の料理と溶け合って生まれた無国籍風の
フュージョン料理の店も少なくない。マンハッタンの「ゲイシャ」では、ワインと合わせたみそを
トッピングしたサーモンの「押しずし」や、コンソメスープのように澄んだ「みそ汁」などが並ぶ。
カリフォルニア州生まれのシェフ、マイケル・バーノンさん(37)は東京・築地から、新鮮な
魚介類を仕入れるこだわりぶり。「フュージョン料理だから認められないとしたら不公平」と不満そう。
デーブ・スペクター氏も「料理の安全性ならともかく、調理法やメニューにまで国が口を出すこと
じゃない」とばっさり。有識者会議でも「排除思想ではいけない」との声も出ているという。(一部略)
URLリンク(www.mainichi-msn.co.jp)
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