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宇宙の成り立ちを説明するのに欠かせない「暗黒物質」(ダークマター)
という目には見えない物質の姿を、日米欧の国際チームがハワイの
すばる望遠鏡などを使って、世界で初めて立体的にとらえることに成功した。
暗黒物質は天文学の長年の謎で、今回の観測は宇宙誕生にかかわる
仮説を裏付ける決定的な証拠となる。成果は、8日の英科学誌「ネイチャー」
(電子版)で発表する。
銀河は宇宙空間に一様に分布せず、無数の泡を形作るように散らばっている。
この「泡構造」がなぜできたのかを説明するには、観測から推定した
銀河の総質量では足らず、その質量を補完するために仮想的な物質と
して提唱されたのが、暗黒物質。膨大な質量(重力)で銀河を集めると
考えられたが、光や電磁波を発しないため、直接観測はできなかった。
研究チームはこのため、強い重力があると、周辺の空間がゆがめられ、
光さえも曲げてしまう「重力レンズ効果」に着目。形が不自然にゆがんだ
銀河を観測すれば近くに暗黒物質があるとみて、しし座方向にある
約50万個もの銀河とその周辺領域を集中観測した。
研究チームはまず、宇宙空間に設置された米ハッブル宇宙望遠鏡で
計600回以上繰り返し観測し、暗黒物質の分布を特定した。その上で、
さまざまな波長の光で観測できる国立天文台のすばる望遠鏡を使い、
各銀河と暗黒物質の地球からの距離を精密に計算し、奥行き約80億光年、
縦横が最長で約2・7億光年の距離に及ぶ暗黒物質の立体構造を明らか
にした。
今回明らかにした暗黒物質の内部や周辺に、銀河が集まっていることも、
観測で裏付けられた。観測領域は地球から見た時に満月が9個ほど並ぶ
広大な領域で、これまではごく一部分しか観測できなかった。
研究チームに参加した谷口義明・愛媛大教授は「1980年代前半に
提唱された暗黒物質仮説が観測で実証された。宇宙の進化の解明に
とって大きなステップだ」と話している。
ソース(読売新聞) URLリンク(www.yomiuri.co.jp)
別ソース(共同通信) URLリンク(flash24.kyodo.co.jp)