07/01/05 05:48:53 0
「告知:裏本は発売されなくなりました。
今後は裏ビデオの情報をのせていく予定です」
アダルトの違法サイトであるホームページに「裏本の死」が宣告されていたのだ。
一つの表現が終わったことを知らせるものとして、昨年、
最も記憶に残る事件の一つだった。
というのも、ピンク映画の歴史がきちんと残されていなかったことを、
つい最近知ったばかりだったからだ。
『素晴らしき日曜日』から『蜘蛛巣城』の最も良質の黒澤明作品をプロデュースした
本木荘二郎氏のことを調べていたときに、ピンク映画の歴史を調べる必要が生じた。
本木は、ある事件で東宝を解雇されるような形で離れ、黒澤明とも袂を分かち、
その後、ピンク映画のパイオニアの一つと称される『肉体自由貿易』という作品を監督し、
生涯に200本あまりの作品を監督したと伝えられている。
1977年に新宿の安アパートで死んだ本木は、
いまは文京区小石川の伝通院に隣接する真珠院に無縁仏同然に眠っている。
本木の作品群について調べようとしたとき、映画そのものの視聴どころか、
記録さえほとんど入手できなかった。
こういった歴史は関係者がいなくなると、まったく残らない。
そのため余計に「裏本は発売されなくなりました」という一文は印象に残り、
2006年は裏本が死んだ年として私には記憶されることになった。
裏本も記録は残らず、記憶だけが残ることになるのだろう。
裏本にこだわるのは、それなりの理由がある。
性表現は、常に新しいメディア技術の先導役となり、
それらの動向を見ていると新たに生まれ出るメディア技術が普及するかどうかの
判断がつくからだ。
(>>2以降に続くです)
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